@article{oai:asahi-u.repo.nii.ac.jp:00005215, author = {市橋, 幸子 and 荒川, 容子 and 倉田, 知香 and KURATA, CHIKA and 飯沼, 光生 and IINUMA, MITSUO and 田村, 康夫 and 久保, 金弥 and 岩久, 文彦}, issue = {2008-02-20}, journal = {2008-02-20}, month = {2008-02-20, 2017-02-01}, note = {本研究は、高次脳中枢の中でストレスによる影響を最も受けやすいといわれている海馬にスポットをあて、老化促進モデルマウスP8系を用いて、咬合不全が海馬機能に与える影響を検討した。咬合挙上は、マウスの上顎臼歯部に歯科用光重合レジンをもることにより行った。はじめに、ストレス物質である血中のコルチコステロン(CO)濃度を測定した。その結果、老齢期の咬合挙上マウスでは、血中CO濃度が顕著に上昇していたため、咬合挙上がストレッサーとして作用していることが確認された。次いで、海馬の記憶機能が測定できるモリス水迷路学習テストを行い、咬合挙上と空間認知能との関係を検討した。また、Fos陽性細胞の発現率から記憶運動にリンクした海馬への情報入力量を検討した。その結果、老齢期の咬合挙上マウスでは、水迷路テストによりプラットホームへの到達時間が延長するとともに、Fos陽性細胞数が減少していたことから、咬合挙上により海馬への情報入力量が減少し、空間認知能が低下することが示唆された。次に水迷路テスト終了後、咬合挙上と老化プロセスとの関連を検討するため、海馬神経細胞数の計測を行った。老齢期の咬合挙上マウスでは、海馬神経細胞数の減少がみられたことから、咬合挙上が海馬の老化を促進させることがわかった。最後に、海馬におけるグルココルチコイドレセプター陽性細胞とグルココルチコイドレセプターmRNAの発現状況を調べ、咬合挙上が視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA-axis)に与える影響を検討した。咬合挙上マウスでは、GR陽性細胞とGRmRNAの発現が減少したことから、海馬からHPA-axisへのネガティブフィードバック機構が抑制されていることが判明した。本実験により、咀嚼機能の維持や咬合不調和の改善は、「食べることができる」ようにするということだけでなく、海馬機能(記憶能力)の維持に重要であることが脳科学的に証明された。また、歯の喪失している高齢者の有病率や認知症発症率が高いという疫学調査の結果を考え合わせれば、高齢化が進む我が国において咬合の維持・回復は認知症予防につながる可能性があると期待される。}, pages = {2008-02-20--2008-02-20}, title = {咬合不全と慢性ストレス}, volume = {2008-02-20}, year = {} }